本名トミー・ベレズフォードとタペンス・カウリイ。『秘密機関』(1922)で初登場。心優しい復員軍人のトミーと、牧師の娘で病室メイドだったタペンスのふたりは、もともと幼なじみだった。長らく会っていなかったが、第一次世界対戦後、ふたりはロンドンの地下鉄で偶然にロマンチックに再会。お金に困っていたので、まもなく「青年冒険家協会」を結成する。

 この後、結婚したふたりはおしどり夫婦の「ベレズフォード夫妻」となり、共同で探偵社を経営。事務所の受付係アルバートとともに事務所を運営している。トミーとタペンスは素人探偵ではあるが、数々の探偵小説を読破しているので、事件が起こるとそれら名探偵の探偵術を拝借して謎を解くというユニークなものであった。

 『秘密機関』の時はふたりの年齢を合わせても四十五歳にもならなかったが、最終作の『運命の裏木戸』(1973)ではともに七十五歳になっていた。青春時代から老年時代までの長い人生が描かれたキャラクターで、クリスティー自身も、三十一歳から八十三歳までのあいだでシリーズを書き上げている。ふたりの活躍は長篇以外にも連作短篇『おしどり探偵』(1929)で楽しむことができる。

 ふたりを主人公にした作品が長らく書かれなかった時期には、世界各国の読者からクリスティーに「その後、トミーとタペンスはどうしました? いまはなにをやってます?」と、執筆の要望が多く届いた逸話も有名。

  1. 秘密機関
  2. NかMか
  3. 親指のうずき
  4. 運命の裏木戸

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