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技術革新と不平等の1000年史 上

生産性を高める新しい機械や生産方法は新たな雇用を生み、私たちの賃金と生活水準を上昇させる――これが経済の理屈だが、現実の歴史はしばしばそれに反している。中世ヨーロッパにおける農法の改良は飛躍的な増産を実現したが、当時の人口の大半を占める農民にはほとんどなんの利益ももたらさなかった。船舶設計の進歩による大洋横断貿易で巨万の富を手にする者がいた一方で、数百万人もの奴隷がアフリカから輸出されていた。産業革命にともなう工場制度の導入で労働時間は延びたにもかかわらず、労働者の収入は約100年間上がらなかった。なぜこのようなことが起きるのか? 圧倒的な考究により、「進歩」こそが社会的不平等を増大させるという、人類史のパラドックスを解明する。
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商品情報

著者
ダロン・アセモグル サイモン・ジョンソン
訳者
鬼澤 忍 塩原 通緒
刊行日
2023/12/20
種類
電子書籍
商品コード
0000614460

著者紹介

  • ダロン・アセモグル

    1967年生まれ、トルコ出身。経済学者。マサチューセッツ工科大学(MIT)インスティテュート・プロフェッサー。専門は政治経済学、経済発展、経済理論など多岐にわたる。著書に『国家はなぜ衰退するのか』『自由の命運』(ジェイムズ・A・ロビンソンとの共著、早川書房刊)2024年に「社会制度が国家の繁栄に与える影響の研究」でサイモン・ジョンソン、ジェイムズ・A・ロビンソンと共同でノーベル経済学賞を受賞。
  • サイモン・ジョンソン

    1963年生まれ、イギリス出身。経済学者。マサチューセッツ工科大学(MIT)スローン経営大学院ロナルド・A・カーツ教授。IMF元チーフエコノミスト。専門は金融経済学、政治経済学、経済発展論。著書に『国家対巨大銀行』(ジェームズ・クワックとの共著)など。2024年に「社会制度が国家の繁栄に与える影響の研究」でダロン・アセモグル、ジェイムズ・A・ロビンソンと共同でノーベル経済学賞を受賞。