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自由と国家 下 ―繁栄する国 衰退する国―(ハヤカワ文庫NF)

宇野重規推薦! ポピュリズムの時代に問うべき問いが、ここに。

【推薦】
「国家と社会の均衡が崩れ、自由への道が狭まるばかりの今日、本書を今一度読み直したい」

宇野重規(東京大学社会科学研究所教授)

【内容紹介】

自由を支える「狭い回廊」への道は一様ではなく、そこに留まるのも容易ではない。世界最大の民主主義国家と言われながら、カースト制度に縛られたインド、アメリカのアンバランスな発展の功罪、幅広い連合の形成によって「狭い回廊」内への移行に成功した日本や南ア、失敗したトルコやジンバブエ。20年にわたる共同研究の集大成として、制度が自由を左右するメカニズムを徹底的に解き明かした渾身の書。解説/稲葉振一郎

【目次】
第九章 悪魔は細部に宿る
ヨーロッパの多様性/戦争が国家をつくり、国家が戦争をつくった/戦争がつくった国家/丘の上の自由/重要な違い/レーニン造船所にて/ロシアのクマの野性化/専横から崩壊へ/だってそうするしかないから/乖離の原因/フィンカでの抑圧/歴史はどのように重要か

第一〇章 ファーガソンはどうなってしまったのか?
正午の殺人/アメリカ例外主義の巻き添え被害/権利章典がなんだって?/アメリカの奴隷制、アメリカの自由/ 紆う余よ曲折の合衆国の国家建設/勝利をわれらに/合衆国の回廊内の生活/ルート66で楽しむのは誰?/すべてのシグナルをずっと収集していればいいじゃないか?/逆説的なアメリカのリヴァイアサン

第一一章 張り子のリヴァイアサン
国家に辛抱する人々/鉄の檻の中のニョッキ/ダックテストを欺く/道路のための場所はない/タキシードを着たオランウータン/大海を耕す/アフリカのミシシッピ/植民地独立後の世界/張り子のリヴァイアサンの影響

第一二章 ワッハーブの子どもたち

戦術家の夢/ウラマーを飼い慣らす/規範の檻を強化する/サウジアラビアの不可触民/ネブカドネザルの再臨/9・11の火種

第一三章 制御不能な赤の女王
破壊の革命/不満分子の虹色連合/ゼロサムの赤の女王/下からの専横/赤の女王はどのようにして制御不能に陥るか/インキリノにはどれだけの土地が必要か?/誰がために鐘は鳴る/専制君主の魅力/抑制と均衡が好きな人なんてどこにいる?/回廊内に戻る?/迫り来る危険

第一四章 回廊のなかへ
黒人の重荷/虹の連合/回廊への入り口/鉄の檻を足場とする/黒いトルコ人、白いトルコ人/バイアグラの春/オランウータンからタキシードを引きはがす/回廊の形状/違う世界?/グローバリゼーションがつくる回廊/いまや誰もがホッブズ主義者

第一五章 リヴァイアサンとともに生きる 
ハイエクの誤り/牛売買/リヴァイアサンvs市場/共有されない繁栄/タガの外れたウォール街/超巨大企業/ゼロサムの赤の女王を回避する/リヴァイアサンの対テロ戦争/権利の実際──ニーメラーの原則

謝 辞 
解 説 自由と繁栄の安定経路を求めて   稲葉振一郎 
文献の解説と出典
参考文献
索 引
 
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商品情報

著者
ダロン・アセモグル ジェイムズ・A・ロビンソン
訳者
櫻井 祐子
刊行日
2025/09/18
種類
文庫
レーベル
ハヤカワ文庫NF
日本図書分類/Cコード
0120
判型
文庫
ページ数
608
重量
356
商品コード
0000090619
ISBN
9784150506193

著者紹介

  • ダロン・アセモグル

    1967年生まれ、トルコ出身。経済学者。マサチューセッツ工科大学(MIT)インスティテュート・プロフェッサー。専門は政治経済学、経済発展、経済理論など多岐にわたる。著書に『国家はなぜ衰退するのか』『自由の命運』(ジェイムズ・A・ロビンソンとの共著、早川書房刊)2024年に「社会制度が国家の繁栄に与える影響の研究」でサイモン・ジョンソン、ジェイムズ・A・ロビンソンと共同でノーベル経済学賞を受賞。
  • ジェイムズ・A・ロビンソン

    1960年生まれ、イギリス出身。シカゴ大学ハリス・スクール・オブ・パブリック・ポリシーのリチャード・L・ピアソン教授。専門は政治経済学と比較政治学、経済発展と政治発展。ラテンアメリカとアフリカの世界的研究者で、ボツワナ、モーリシャス、シエラレオネなどで研究を行なっている。2024年に「社会制度が国家の繁栄に与える影響の研究」でダロン・アセモグル、サイモン・ジョンソンと共同でノーベル経済学賞を受賞。