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自由と国家 上 ―繁栄する国 衰退する国―(ハヤカワ文庫NF)

2024年ノーベル経済学賞。独裁と無法の間にある自由に迫る!

【絶賛の声】
「好奇心を満たすだけでなく、示唆に富む本だ」
ジャレド・ダイアモンド(『銃・病原菌・鉄』でピュリッツァー賞)

「二人にしか引き出せない非凡な成果だ」
ジャン・ティロール(2014年度ノーベル経済学賞)

「本書は、人類史をたどる時空を超えた魅惑的な旅に私たちを誘う」
ジョージ・アカロフ(2001年度ノーベル経済学賞)


【内容紹介】
独裁的な国家の台頭や無秩序な社会の拡大――世界で今、自由が揺らいでいる。そもそも自由な社会はなぜ稀なのか? 無政府状態では個人の生命すら守れないが、法を司る国家権力=リヴァイアサンは暴走しうる。自由と秩序はその狭間の「狭い回廊」にしか存在しない。古代ギリシア、イギリス、中国などの歴史研究をもとに、国家と社会の力が拮抗し、「足枷のリヴァイアサン」が生まれる道筋を描いた名著。『自由の命運』改題

【目次】
序 章
自 由/この世のあらゆる悪/ギルガメシュ問題/自由への狭い回廊

第一章 歴史はどのようにして終わるのか?
迫り来るアナーキー?/第一五条国家/支配の遍歴/闘争とリヴァイアサン/衝撃と畏怖/労働教養/二つの顔をもつリヴァイアサン/規範の檻おり/ホッブズを超えて/テキサス人に足枷を/足枷のリヴァイアサン/歴史の終わりではなく、多様性/本書の残りの概要

第二章 赤の女王
テセウスの六つの偉業/ソロンの足枷/赤の女王効果/どうしても必要な場合に追放する方法/抜け落ちていた権利/首長? 首長って何だ?/危険な坂道/判読不能なままでいる/狭い回廊/論より証拠/リヴァイアサンに足枷をはめる──信頼せよ、されど検証もせよ

第三章 力への意志
預言者の台頭/あなたの強みは何?/雄牛の角/法を知らぬ暴れ者/赤い口の銃/タ
ブーを破る/動乱の時代/なぜ力への意志に足枷をはめられないのか

第四章 回廊の外の経済
穀倉の幽霊/勤労の余地がない/檻に入れられた経済/イブン・ハルドゥーンと専制のサイクル/イブン・ハルドゥーン、ラッファー曲線を発見する/二つの顔をもつ専横的成長/折れた櫂かいの法/内陸に向かうサメ/他人をむさぼる鳥/バラ革命の経済/檻に入れられた経済と専横の経済

第五章 善政の寓意 
カンポ広場のフレスコ画/善政の効果/聖フランチェスコの名前はどこから?/カナリア諸島の最初のネコ/回廊のなかの経済/悪政の効果/トルティーヤはいかにして発明されたのか

第六章 ヨーロッパのハサミ
ヨーロッパが回廊に入る/長髪王の集会政治/もう一枚の刃/二枚の刃を合わせる/「不」連合王国/一〇六六年とそれに続く変化/赤の女王効果の働き──マグナ・カルタ/ブンブン不平を鳴らすハチの巣/さまざまな議会/シングからアルシングへ──回廊の外のヨーロッパ/中世のドル──ビザンティンのリヴァイアサン/回廊のなかを進む/次に破られるべき檻/産業革命の起源/なぜヨーロッパなのか?


第七章 天 命
舟を覆す/すべてが天の下に/井せい田でん法ほうの興隆と衰退、そして再度の興隆/弁髪切り/金欠の専横/依存社会/中国の繁栄の逆転/マルクスの命めい/道徳的リーダーシップの下での成長/中国式の自由

第八章 壊れた赤の女王
憎悪の物語/規範の檻の中のインド/壊された民/支配する者たち/檻の中のカースト経済/古代の共和国/タミル人の地/ガナ・サンガ国からローク・サバーに至るまで/ヴァルナに仁義なし/壊れた赤の女王

文献の解説と出典
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商品情報

著者
ダロン・アセモグル ジェイムズ・A・ロビンソン
訳者
櫻井 祐子
刊行日
2025/09/18
種類
文庫
レーベル
ハヤカワ文庫NF
日本図書分類/Cコード
0120
判型
文庫
ページ数
624
重量
364
商品コード
0000090618
ISBN
9784150506186

著者紹介

  • ダロン・アセモグル

    1967年生まれ、トルコ出身。経済学者。マサチューセッツ工科大学(MIT)インスティテュート・プロフェッサー。専門は政治経済学、経済発展、経済理論など多岐にわたる。著書に『国家はなぜ衰退するのか』『自由の命運』(ジェイムズ・A・ロビンソンとの共著、早川書房刊)2024年に「社会制度が国家の繁栄に与える影響の研究」でサイモン・ジョンソン、ジェイムズ・A・ロビンソンと共同でノーベル経済学賞を受賞。
  • ジェイムズ・A・ロビンソン

    1960年生まれ、イギリス出身。シカゴ大学ハリス・スクール・オブ・パブリック・ポリシーのリチャード・L・ピアソン教授。専門は政治経済学と比較政治学、経済発展と政治発展。ラテンアメリカとアフリカの世界的研究者で、ボツワナ、モーリシャス、シエラレオネなどで研究を行なっている。2024年に「社会制度が国家の繁栄に与える影響の研究」でダロン・アセモグル、サイモン・ジョンソンと共同でノーベル経済学賞を受賞。