お知らせ文芸評論家の北上次郎氏逝去 (2023/01/25) 文芸評論家の北上次郎氏が、2023年1月19日、肺がんのため逝去されました。享年76。葬儀は近親者のみにておこない、後日、お別れの会をとりおこなう予定です。
1946年東京生まれ。明治大学卒。1984年、『冒険小説の時代』で日本冒険小説協会大賞最優秀評論大賞を、1994年、『冒険小説論 近代ヒーロー像100年の変遷』で日本推理作家協会賞評論その他の部門と日本冒険小説協会大賞最優秀評論大賞を受賞。 北上次郎名義のほか、本名・目黒考二として《本の雑誌》を創刊、藤代三郎名義では競馬エッセイストとして、幅広い分野で活躍しました。 北上氏と弊社とは、1970年代終わりから《ミステリマガジン》で冒険小説の大ファンとしてお付き合いが始まり、同誌の連載をまとめた『冒険小説論 近代ヒーロー像100年の変遷』や『感情の法則』、『息子たちよ』の著作のみならず、多くの解説やミステリ評論、書評、雑誌の特集企画などでも何度もご協力いただきました。《ミステリマガジン》での最後の連載となった『勝手に文庫解説2』は、2023年3月号で最終回を迎えています。さらに2010年に創設したアガサ・クリスティー賞の最終選考委員としても、初回から昨年までの全12回にわたってお世話になりました。 温かく明るい人柄で、つねに新しい面白い本を探して、新鮮な驚きに満ちたパワフルな書評で作品を後押ししてくださいました。もうあの楽しい北上節で本のお薦めがうかがえないことが信じられず、本当に残念でなりません。 心よりご冥福をお祈り申し上げます。 (2023年2月末締切で募集している第13回アガサ・クリスティー賞につきましては、他の選考委員三人〔鴻巣友季子氏、法月綸太郎氏、弊社ミステリマガジン編集長〕により選考を行ないます) |