早川書房の児童書
ぬいぐるみ団オドキンズ書影 ぬいぐるみ団オドキンズ
ODDKINS
ディーン・R・クーンツ/風間賢二訳
本体価格 \1,600
2002年10月刊行


『ファントム』『ウィスパーズ』など、数々のベストセラーを生みだしてきた人気作家クーンツ。その彼がはじめて子どものために書いた作品が、この『ぬいぐるみ団オドキンズ』だ。心やさしいぬいぐるみたちが、邪悪(じゃあく)なおもちゃに追いかけられながら、冒険の旅をつづけるというファンタジイで、笑いと感動がつまった傑作(けっさく)。
Illustration:田口順子

本の紹介
 動くことも話すこともできる、魔法のぬいぐるみたち。おもちゃ職人のアイザック・ボドキンズおじさんによって魔法の命をふきこまれた彼らは、「オドキンズ」と呼ばれている。その使命は、やがて成長したら世界のために働く運命にある子どもの、秘密の友だちとなること。つらく悲しい時期を乗りこえ、逆境にたえてすこやかに育つよう、愛情をそそいでやるのがオドキンズのつとめだ。その子どもとふたりきりのときだけは、自由に動いたりしゃべったりしてよいのだ。
 だがいま、オドキンズは悲しみにしずんでいた。大好きなおもちゃ職人のアイザックおじさんが亡くなったからだ。少し前から病気にかかり、死を覚悟していたおじさんではあったが、その死は思いがけず早くおとずれた。おもちゃ工房を継いでくれる人を呼ぶ間もないうちに。
 アイザックおじさんは後継者(こうけいしゃ)に、街でおもちゃ屋をいとなむ女性、シャノンさんを考えていた。しかし、本人にそのことを伝える前に死んでしまった。だからいま、シャノンさんのもとへ行って、工房を継いでくれるよう頼めるのは、オドキンズしかいない。
 そこで、テディ・ベアのエイモスをリーダーに、ゾウのバール、ウサギのスキッピイ、イヌのバタースコッチ、ネコのパッチ、そして長老ギボンズの6体のぬいぐるみたちは、嵐の夜、こっそりと工房をぬけだした。街の反対側にあるシャノンさんの店まで、大人に見つかることなくたどり着かなくてはならない。
 だが、嵐や野良ネコになやまされながら、右も左もわからない街を行くオドキンズの後を、あやしい一団が追っていた。アイザックおじさんの前任者、闇(やみ)のおもちゃ職人カロンによって生みだされた、邪悪なおもちゃたちだ。あやつり人形のレックスを中心に、ロボットやびっくり箱といったおもちゃからなる彼らは、子どもを傷つけ、悲しませ、その将来をだいなしにすることを生きがいとしていた。
 アイザックおじさん亡きいま、悪の力で世界をおおうことをもくろむ彼らにとって、善の力を持つオドキンズは邪魔な存在だ。オドキンズを追いつめ、残忍に攻撃(こうげき)をしかけてくる闇のおもちゃたち。はたしてオドキンズは彼らをかわし、めざす地に無事たどり着けるのか!?

 子どもが一度は空想する「動くぬいぐるみ」が、広い街を舞台に大活躍する。クーンツならではの迫力ある文章で、テンポよく展開される物語に引きこまれる。冒険の場面が生き生きとしているだけでなく、勇気や友情、生きる喜びなどもうたいあげられており、特にラストシーンは感動を呼ぶ。

著者紹介
ディーン・R・クーンツ
1945年アメリカ、ペンシルヴェニア州生まれ。子どものころから作家になることをめざし、大学を卒業後、さまざまなアルバイトをしながら小説を書いた。1968年にはじめての本を出版。1980年に発表したホラー小説『ウィスパーズ』で人気作家の仲間入りをした。その後も、数多くのベストセラーを生みだしている。本書は、はじめて子どものために書いた小説。


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