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スプーク・カントリー

90年代のカルト・バンドのもとヴォーカル、ホリスがまきこまれた驚くべき陰謀とは?
『ニューロマンサー』に始まる電脳空間三部作でSF界に新たな潮流をもたらしたウィリアム・ギブスンが、ポップ・カルチャー、コンピュータ、政治、さまざまなガジェットを巧みにもりこんだ長篇。

※本書は早川書房『スプーク・カントリー』初刷(2008年12月発行)を底本とした電子書籍版です。底本に収録されていたカバーデータは収録されておりません。

1990年代にカルト的な人気を博したロック・バンド<カーヒュー>のヴォーカルだったホリス・ヘンリーは、バンドの解散後、フリーのジャーナリストになっていた。
そんなホリスに、広告業界の大物ヒュベアトス・ビゲンドが創刊する新雑誌<ノードン>に取材記事を書いてほしいという依頼がきた。それは、仮想現実用の特殊バイザーをつけると、現実の光景に重ねあわせるように別の光景が見られる一種の臨場感アートの取材だった。
<ヴァイパー・ルーム>の前に倒れているリバー・フェニックス、ヘルムート・ニュートンに捧げるヴァーチャル・モニュメント……。このアートの制作に協力している天才ハッカー、ボビー・チョンボーに紹介されたときから、ホリスは謎の事件へと引きこまれていく。
ニューヨークに住む中国系キューバ移民のチトーは、かつて諜報活動にかかわっていた老人に、ワシントン広場で定期的にiPodを渡していた。やがて、チトーは老人から、思いがけない仕事を頼まれ、怪しい男たちに追いかけられるはめに陥る。
薬物中毒のミルグリムは、政府の捜査官らしき男ブラウンに拘束され、ロシア語やヴォラピュク語の翻訳をしていた。そのブラウンは、アメリカ国内で活動中の組織犯罪集団の監視をしているというのだが……。
取材するホリス、逃走するチトー、囚われの身のミルグリム──三人それぞれが未知なる力に導かれ、その果てに見たものとは?
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商品情報

著者
ウィリアム・ギブスン
訳者
浅倉 久志
刊行日
2024/12/18
種類
電子書籍
商品コード
0000614693

著者紹介

  • ウィリアム・ギブスン

    1948年、アメリカ出身。 1984年刊、初長篇にして〈スプロール〉三部作の第一作『ニューロマンサー』はネビュラ賞、 フィリップ・K・ディック賞、 ヒューゴー賞を受賞。「サイバーパンク」の代名詞的作品として知られる。 長篇に 『カウント・ゼロ』『モナリザ・オーヴァドライヴ』、 〈橋〉三部作、〈ビゲンド〉 三部作など、 短篇集に 『クローム襲撃』、 ブルース・スターリングとの共作に『ディファレンス・エンジン』 がある。