南海の金鈴
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ディー判事と副官たちは、都を離れて遥か南の地、広州へと赴く。当地を密かに訪れていた中央政府の高官が行方を絶ったのだ。都で政変の噂が立つおりから、事件は極秘のうちに調査せねばならない。だが、到着早々副官たちは殺人事件に巻き込まれる。やがて、当の高官の毒殺死体が見つかった。どうやら西方から交易にやってきているイスラム教徒たちに関連があるらしい。しかし事件の背景は複雑を極め、やがて意外な展開を見せる……副官たちを従えて各地を転任し、先々で多くの事件を解決してきたディー判事が、その旅路の最後に手掛けた難事件
■本書は、ディー判事シリーズの最終巻にあたる……といっても、正真正銘の最終作ではない。作品世界中の時系列ではこの事件が最後にあたるが、作品発表順では全15作中の第12作(1966年発表)であり、ポケミスで未紹介の作品も残っている。判事の活躍譚はまだまだ続くので、ご安心を。しかし、本書では長き探偵生活に終止符を打つ旨を判事本人が語り、またある重大な事件が起こることから、まこと「最後の事件」と銘打つにふさわしいのもまた事実である。
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