ぬいぐるみ団オドキンズ
商品詳細
動くことも話すこともできる、魔法のぬいぐるみたち。おもちゃ職人のアイザック・ボドキンズおじさんによって魔法の命をふきこまれた彼らは、「オドキンズ」と呼ばれている。その使命は、やがて成長したら世界のために働く運命にある子どもの、秘密の友だちとなること。つらく悲しい時期を乗りこえ、逆境にたえてすこやかに育つよう、愛情をそそいでやるのがオドキンズのつとめだ。その子どもとふたりきりのときだけは、自由に動いたりしゃべったりしてよいのだ。
だがいま、オドキンズは悲しみにしずんでいた。大好きなおもちゃ職人のアイザックおじさんが亡くなったからだ。すこし前から病気にかかり、死を覚悟していたおじさんではあったが、その死は思いがけず早くおとずれた。おもちゃ工房を継いでくれる人を呼ぶ間もないうちに。
アイザックおじさんは後継者に、街でおもちゃ屋をいとなむ女性、シャノンさんを考えていた。しかし、本人にそのことを伝える前に死んでしまった。だからいま、シャノンさんのもとへ行って、工房を継いでくれるよう頼めるのは、オドキンズしかいない。
そこで、テディ・ベアのエイモスをリーダーに、ゾウのバール、ウサギのスキッピイ、イヌのバタースコッチ、ネコのパッチ、そして長老ギボンズの6体のぬいぐるみたちは、嵐の夜、こっそりと工房をぬけだした。街の反対側にあるシャノンさんの店まで、大人に見つかることなくたどり着かなくてはならない。
だが、嵐や野良ネコになやまされながら、右も左もわからない街を行くオドキンズのあとを、あやしい一団が追っていた。アイザックおじさんの前任者、闇のおもちゃ職人カロンによって生みだされた、邪悪なおもちゃたちだ。あやつり人形のレックスを中心に、ロボットやびっくり箱といったおもちゃからなる彼らは、子どもを傷つけ、悲しませ、その将来をだいなしにすることを生きがいとしていた。
アイザックおじさん亡きいま、悪の力で世界をおおうことをもくろむ彼らにとって、善の力を持つオドキンズは邪魔な存在だ。オドキンズを追いつめ、残忍に攻撃をしかけてくる闇のおもちゃたち。はたしてオドキンズは彼らをかわし、めざす地に無事たどり着けるのか!?
子どもが一度は空想する「動くぬいぐるみ」が、広い街を舞台に大活躍する。クーンツならではの迫力ある文章で、テンポよく展開される物語に引きこまれる。冒険の場面が生き生きとしているだけでなく、勇気や友情、生きる喜びなどもうたいあげられており、特にラストシーンは感動を呼ぶ。 150002
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