越境する脳──ブレイン・マシン・インターフェイスの最前線
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ハヤカワ・ポピュラー・サイエンス
アカゲザルのオーロラは快調にビデオゲームをジョイスティックの操作でクリアしていった。そこで私の同僚が、そのジョイスティックを取り上げた――オーロラがゲームを引き続き楽しみ、褒美のオレンジジュースをもらいたければ、これからは画面を、端末に直結した自分の脳の反応のみで操作しなくてはならない。しかしそこで奇跡が起こった。オーロラの端末ではカーソルが整然とした動きを再開したのである。……脳と義手・義足などの外部デバイスを直結させるブレイン・マシン・インターフェース(BMI)は、「ウォーク・アゲイン・プロジェクト」などでも注目される医学/脳科学研究であり、これが成功するということは、われわれがゆくゆくは、身体という脱ぎ捨てられない境界の外へ一歩踏み出すことにほかならない。アカゲザルを使った高度なBMI実験を見事に成功させ、それによって「ニューロンアンサンブル」という先端理論の正しさをも世に示した脳神経学者、ミゲル・ニコレリス自らが綴る、驚きのポピュラー・サイエンス。
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