お知らせ
宇宙に思い入れのあるすべての人への贈り物、『五〇億年の孤独』刊行! (2016/03/25)
夜に空を見上げることはありますか? 星空のはるか果て、できるだけ遠くに何があるのかを探るのが天文学で、その大きな目標のひとつが、地球の外に生命はいるのかいないのか、という問題。
今から40年近く前に公開された、スピルバーグ監督の『未知との遭遇』はこのテーマを描いたものですが、タイトルの「未知との遭遇」という言葉は、この試みを象徴するタームにもなりました。科学技術の発展とともにこの探索の試みは今、太陽系の外、はるか離れた宇宙に地球のような惑星があるかどうかを探る「惑星ハンティング」となって、科学者たちが激しくしのぎを削る領域になっています。そして、20年もすればそうした惑星に生命がみつかるはず、というような予測がなされています。フィクションが描いた「未知との遭遇」が現実味を帯びてきている、と言えましょう。
宇宙探査は金食い虫だから、資金提供する政治家の意向に一喜一憂することが避けられず、科学者どうしの軋轢もあって、そこには現実の苦いドラマも展開します。本書『五〇億年の孤独』は、そうした最前線で泣き笑いする科学者たちのリアルな姿を活写した、天文ファンなら見逃せない科学ノンフィクションです。
興味をもたれたかたは、まずは本書巻末に収められた渡部潤一さんの解説に目を通してみてください。コンパクトにまとめられたこの分野の発展史がすんなり頭に入って、さらに現場で活躍する科学者さえも魅了する本書の読みどころがひしひしと伝わってきて、本文を読まずにいられなくなること請け合いです。
地球のとなりの火星で展開する映画『オデッセイ』(原作は弊社刊の『火星の人』)のリアルなドラマに心打たれたかたも、本書をぜひ手に取ってみてください。