万物の尺度を求めて──メートル法を定めた子午線大計測
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1792年、革命に湧くパリの都から2人の科学者が北と南へ旅立った。彼らの使命は、パリを通る子午線の長さを測地学的に測量し、それをもとに「1メートル」という長さの単位を客観的に定めること。革命・反革命に揺れ動くフランスの辺縁を、科学技術の粋を凝らした異形の計測器をたずさえて移動する彼らは、スパイや反革命分子に間違えて捕えられ、命の危険に晒されながらも任務を遂げ、帰還する。しかし彼らの得た一見精密無比の測定値には、密かな誤りが忍びこんでいた……18世紀当時すでに完成されていた、精緻きわまりない測地学の方法の素晴らしさ。そこに忍びこむ、避けえない測定誤差。そして、その誤差さえもが科学を科学たらしめるうえで重要な役割を果たす。人間の営みとしての科学の発展を、グローバリゼーションの先駆けとも言うべき、世紀の測地学ミッションの胸おどる経過に織り混ぜて語りつくす、一大科学絵巻。
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