心の視力──脳神経科医と失われた知覚の世界
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視力を失う。失語症や知覚失認をわずらう……。知覚に障害を負ったとき、脳と心はどのように対応していくのだろうか。
サックスの患者となった、楽譜を読めなくなったピアニストは、やがて文字や日常のさまざまなものも識別できなくなっていくが、音楽の助けにより穏やかな日常をいとなんでいる。脳卒中で失読症になった作家は、苦労はあったものの自らの体験をもとにしたミステリを執筆するまでになる。
そして、サックス自身、生まれつき人の顔が見わけられない「相貌失認」をわずらっていたが、さらに癌により右目の視力を失い、適応を迫られることになる。
視覚に問題はないのにまわりのものが認識できないことがある一方で、両目の視力を失っても心に豊かな視覚世界を築く人もいる。目と脳の奇妙で驚くべき働きを卓越した洞察力と患者への温かな視線で描き出した傑作医学エッセイ集。
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