カズオ・イシグロ氏、英国「コンパニオン・オブ・オナー勲章」受章
ノーベル文学賞を受賞した、長崎出身のイギリスの作家カズオ・イシグロ氏が、2025年11月4日、ロンドン近郊のウィンザー城にてチャールズ英国王より「コンパニオン・オブ・オナー勲章」を授与されました。この勲章は芸術、科学、医学、公務での功績をたたえるもので、イシグロ氏は文学界への貢献が評価されました。
イシグロ氏は1954年長崎県生まれ。5歳でイギリスに渡り、日本とイギリスのふたつの文化を背景に育ちました。ケント大学、イーストアングリア大学大学院で学んだ後、1982年に『 遠い山なみの光 』で長篇デビュー。1986年発表の『 浮世の画家 』でウィットブレッド賞を、1989年発表の第三長篇『 日の名残り 』ではイギリス文学の最高峰ブッカー賞を受賞。その後も『 わたしを離さないで 』(2005)、『 忘れられた巨人 』(2015)などを発表し、2021年には最新作となる『 クララとお日さま 』を刊行しました。今年2025年には、デビュー作『遠い山なみの光』が石川慶監督により映画化されました。
ほかの作品に、長篇『 充たされざる者 』(1995)、『 わたしたちが孤児だったころ 』(2000)、短篇集に『 夜想曲集 』(2009)、ノーベル文学賞受賞記念講演『 特急二十世紀の夜と、いくつかの小さなブレークスルー 』(2017)があります(以上すべて早川書房刊)。
これら卓越した文学的功績により、2017年にはノーベル文学賞を受賞。2018年に日本の旭日重光章を受章し、2019年には英王室よりナイトの爵位を授与されています。
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