著訳者 > カ行 > > 木村 由利子 > ディナの秘密の首かざり
著訳者 > カ行 > > コーバベル, リーネ > ディナの秘密の首かざり
ジャンル > ファンタジー > ディナの秘密の首かざり
ジャンル > 冒険小説 > ディナの秘密の首かざり
ジャンル > 児童書 > ディナの秘密の首かざり
種類 > 単行本 > ディナの秘密の首かざり

ディナの秘密の首かざり

価格 : 1,870 円(税込)
原書名 : Skammerens Signet
ISBN : 9784152500151
刊行日 : 2003/12/10
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商品詳細

著者 リーネ・コーバベル
翻訳 木村 由利子
ISBN 9784152500151

 ドゥンアークでのあの事件から半年あまり。宿敵ドラカンからのがれ、遠くはなれた高地地方で、あたしは母さん、兄さんのダビン、妹のメリ、ドゥンアークからいっしょに逃げてきた友だちローサとくらしている。母さんが恥あらわしの仕事に出かけるときは、弟子としてついていく。もう前のように、恥あらわしの力を捨てさりたいなんて思っていない。
 ダビンはもうすぐ16才になる。最近、あたしとあまり口をきいてくれない。母さんは、一人前の男になりたくて悪戦苦闘しているんだと言うけど、剣術を習いはじめ、夢中になっているダビンを見ると、あたしはさびしい。それに、あたしの目を見てくれなくなった。恥あらわしの力を持っていないダビンにとって、母さんやあたしの目を見るのはとてもつらいことだとわかっているけど、でも……
 ある日、隣接した土地に住むラクラン一族の男、イバイン・ラクランが、母さんに恥あらわしの仕事をたのみにきた。あたしもいっしょに出かけたが、待ちぶせにあい、母さんは矢で射られてけがを負ってしまう。イバインが罠にかけたのだ。話を聞いたダビンは逆上し、ひとりでラクラン領へ乗りこんでいって、イバインに決闘を申しこむ。でもあたしがかけつけてみると、逆にさんざん痛めつけられている上、相手は母さんをおそった男じゃなかった。あの男は、イバイン・ラクランの名をかたった、にせものだったのだ。
 ダビンは面目をうしなって、あたしにもじゃけんにする。腹が立つけど、あたしはけがの手あてに使う薬草をさがしに、ラクランの族長の孫である、9才の少年タビスの案内で野原へ出かけた。ところがそこで、母さんとあたしを待ちぶせした男たちと鉢あわせし、タビスともどもとらえられてしまう。敵をたばねている男はバルドラクという名前で、あのドラカンのいとこだった。バルドラクはあたしに、言われたとおりにしなかったらタビスをむち打つ、と言いわたす。そしてほんとうに、母さんからもらった首かざりを手わたすのをこばむと、タビスにむちをふるったのだ。その首かざりは、母さんの弟子となった日に、恥あらわしのしるしとしておくられた、あたしのたからものなのだけど、タビスをこれ以上傷つけたくなかったから、つらいのをこらえて手ばなした。
 ドラカーナという町のお屋敷にたどりつくと、バルドラクはあたしにある命令を出した。町の鍛冶場や織物工場ではたらくもの――ほとんどは身よりのない子どもだ――が反抗的な態度を取ったら、その目を見て、恥あらわしの力を使って罰を与えるように、というのだ。恥あらわしの力をそんなふうに悪用するのは、母さんの教えに反する。でも逆らえば、タビスがむち打たれる。あたしはしかたなく、命じられたとおり子どもたちの目を見るけれど、それをくりかえすうちにおかしなことが起こりはじめて……

 前作同様、テンポのよい展開で読者を引きこむ。またもむごい目にあい、傷つき、なやみながらも、必死に乗りこえていくディナのすがたには声援を送りたくなる。いっぽう、自立をもとめつつも、自分が家族を守らなくてはという責任を強く感じている、思春期のダビンの複雑な心境も鮮明にえがかれており、妹をすくうため奔走するようすは感動的でさえある。今作ではディナとダビンが交代で語り手をつとめる形になっており、2人の視点が新たな魅力をくわえている。 150015

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