グールド, スティーヴン・ジェイ
Stephen Jay Gould 1941〜2002 <アメリカ>
1941年、ニューヨーク生まれ。ハーヴァード大学教授として長年にわたって古生物学、進化生物学の研究に従事する一方、『フルハウス・生命の全容・』『暦と数の話』などのポピュラー・サイエンス書を執筆。ことにカンブリア紀の奇妙な化石動物をめぐる傑作『ワンダフル・ライフ』は世界中でベストセラーになり、日本でもこれに取材したTV番組ができるほどの人気を博した。しかしグールドの名を不動にしたのは、なんといっても『ダーウィン以来』を初めとする一連の科学エッセイ集である。現在邦訳で7冊を数えるこのシリーズは、アメリカの科学誌《ナチュラル・ヒストリー》に20年に渡って連載されつづけているエッセイを選りすぐって編まれたもので、その博識もさることながら、グールド年来のがっちりとした持論を生物学の枠を越えた意外な話題に結びつける鮮やかな筆力も、魅力のひとつである。アメリカ人には珍しくフットボールよりも野球をこよなく愛し、クラシック音楽を好んだ。2002年死去。