ニッチ商品の集積が、メガヒットの収益を凌駕する時代がやってくる!
■これまでのように物理的・時間的なスペースが限られていた時代では、その限りあるスペースはいくつかのメガヒットに占められ、多くのニッチ商品はごく一部の熱心なユーザーによって支えられているのみだった。これを端的に示した言葉が「80対20の法則」である(全体の2割の商品が売上の8割を占める)。
■しかし、高速なネットコミュニケーション技術が普及し、アマゾン、グーグル、iTunes Music Storeなどの登場によって、市場のあり方は劇的に変化した。ニッチ商品の認知・購入機会は爆発的に増加し、全体としては実際に大資本のメガヒット狙いの商品と対等に張り合えるようになった。このような経済では、「80対20の法則」は成り立たない。あるオンライン音楽配信サービスでは、ダウンロードランキングが上位2割に入らない残り8割の商品が、全体の売上げの半分を占めているのだ。アマゾンでは「売れない8割」が売上げの3分の1を占めている。つまり、売れた数順に商品を左から右に横軸に並べ、売れた数を縦軸にとったグラフを書くと、そこには非ヒット商品からなる長い尻尾が現われる。これが本書のテーマ、「ロングテール」である。
■ロングテールはいたるとこにある。ウィキペディアからYouTube、ブログやSNSなど、そのすべてがロングテールであり、これまでのヒット志向の文化を根底から覆そうとしている。それは生産手段の民主化であり、物理的制約のために抑圧されていた人々の真の嗜好の姿なのだ。
■現在出現している「ロングテール」のここまでの歴史とそれを取り巻く状況を解説し、現代の成功企業の実例を多数引いてロングテール時代のビジネスの鉄則を検証する。また、さまざまな問題を抱えつつも、人々の営みの真の姿を映しだすものとしてロングテールを捉え、そこから次世代ビジネスと文化の行方を探る。米でビジネス界のみならず多くの分野に大きな衝撃を与えた書、ついに日本版刊行!
著者紹介
クリス・アンダーソン Chris Anderson
「ロングテール」という言葉を初めて提唱したワイアード誌の編集長。
ジョージ・ワシントン大学で物理学の学位を取得し、量子力学と科学ジャーナリズムをカリフォルニア大学バークリー校で学ぶ。ロス・アラモス研究所の調査員、アメリカ運輸省のチーフ・サイエンティストの調査アシスタントを経て、ネイチャー誌、サイエンス誌に就職。その後、英エコノミスト誌に移り、ロンドン、香港、ニューヨークと飛び回り、テクノロジーからビジネスまでの幅広い領域を担当する。2001年にワイアード誌編集長に就任すると、以来同誌を五度「全米雑誌賞」のノミネートに導き、2005年度には「最優秀賞(General Excellence)を獲得。同年には、アドバタイジング・エイジ誌の「エディター・オブ・ザ・イヤー」にも選ばれた。現在はカリフォルニア州バークリーに妻と四人の子どもとともに住んでいる。彼のロングテールに関する考察・最新情報はブログ(www.thelongtail.com)で読むことができる。
本書に寄せられた賛辞
アンダーソンの洞察は、グーグルの戦略的思考の深い部分に大きな影響を与えている。ビジネスの未来を見たいならば、この素晴らしい本、タイムリーな本を読むがいい。 ――エリック・シュミット (グーグル社CEO)
テクノロジーとインターネットによって、世界は繋ぎあわせられて小さくなった。ニッチ市場にリーチする能力がどのようにビジネスチャンスをもたらすかを正確無比に描き出した初めての本だ。
――テリー・セメル (ヤフー社CEO)
経営者必読、挑発的で洞察に溢れる本だ。インターネット革命の次の時代について優れた見方を提供している。
――リード・ヘイスティングス (ネットフリックス社CEO)
インターネットのロングテールは、50年前にテレビが商業化されて以来のメディアの大変革を促している。アンダーソンはロングテールとは何か、それがなぜ重要なのかを卓越した手腕で解説している。メディアに関心あるすべての人――そして社会がどこへ行くのかに関心のあるすべての人――は本書を読まなくてはならない。
――ロブ・グレイザー (リアルネットワークス社CEO)
本棚を空けろ。これこそ唯一あなたに必要な本だ。
――ローレンス・レッシグ (スタンフォード・ロースクール教授、クリエイティブ・コモンズ理事)
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