| わたしは死神。自己紹介はさして必要ではない。好むと好まざるとにかかわらず、いつの日か、あなたの魂はわたしの腕にゆだねられることになるのだから。
これからあなたに聞かせる話は、ナチス政権下のドイツの小さな町に暮らす少女リーゼルの物語だ。彼女は一風変わった里親と暮らし、隣の少年と友情をはぐくみ、匿ったユダヤ人青年と心を通わせることになる。リーゼルが抵抗できないもの、それは書物の魅力だった。墓地で、焚書の山から、町長の書斎から、リーゼルは書物を盗み、書物をよりどころとして自身の世界を変えていくのだった……。
『アンネの日記』+『スローターハウス5』と評され、アメリカ、イギリス、オーストラリアなどで異例のベストセラーを記録中の、新たな物語文学の傑作。
著者マークース・ズーサックは、1975年、ドイツとオーストリアから移民してきた両親のあいだに、オーストラリアで生まれた。1999年の第一作The Underdogを皮切りとする自伝的要素の濃い「ウルフ三部作」を発表し、ヤングアダルトの作家として注目を浴びる。2002年刊の『メッセージ』で、オーストラリア児童図書賞、プリンツ賞のオナー賞を受賞している。本書『本泥棒』は大人向けに書いた初めての作品で、出版後たちまち《ニューヨーク・タイムズ》ベストセラーにランクインし、異例のロングセラーを続けている。 |