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セルフパブリッシング発、驚異のSFスリラー三部作開幕 (2016/04/22)
今月のSF文庫は、《アトランティス・ジーン》三部作の第一部、『第二進化』が登場します。なんとこの『第二進化』、全米で100万部突破、Amazon.comではレビュー数が11,000を超えており、18か国で翻訳が決定したそうです。大型映画化がCBSフィルムズにより進行中だとか。アメリカのセルフパブリッシング界ではアンディ・ウィアー『火星の人』につづいて大きな話題となった作品です。
まず、ざっとあらすじをご紹介しますと……
舞台は現代。南極の氷中で発見された、ナチス潜水艦と「アトランティス」の遺跡。それが事件の始まりだった。
対テロ組織〈クロックワーク〉工作員デヴィッドは、世界的企業を隠れ蓑にしたテロ組織〈イマリ〉を調査するうちに、疫病で人口を激減させ、人類の次の進化を強制的に引き起こそうとする計画の存在を知る。何者かにより送られた暗号には南極、ジブラルタル、ロズウェルの地名が記されていたが……。
一方、遺伝子治療の研究者ケイトは、イマリに狙われたところを、デヴィッドに助けられる。どうやら彼女の研究がイマリのテロ計画の鍵らしい。二人は計画阻止のためイマリの研究所へ潜入し、〈ベル〉装置による疫病発生の現場を目撃する。チベットの寺院で、ジブラルタルの海底トンネルで、彼らに明かされていくアトランティスの秘密とは!?
アトランティス伝説をはじめ、ナチスが研究していたというベル型UFO、火山の大噴火が人類の進化に影響を与えたというトバ・カタストロフ理論、古代の大洪水伝説などが登場する本作品。そのうえ敵は5000年の歴史もつ秘密組織、となれば、伝奇SFか、あるいは、対テロ組織工作員の主人公なのだから、やっぱり現代ものスリラーか。そう思いつつ、読み進めていくと、じつは、この宇宙の中で、人類はどのようにして知性を獲得し、今後どこへ向かっていくのかを扱った、壮大なスケールのSFだとわかってきます。キーとなるのは、冒頭から登場する「アトランティス」の遺跡と、その持ち主である「アトランティス人」の正体。オカルト的なモチーフを使ってはいるけれども、主となるアイデアは科学を土台にして組み立てられた、エンタメSF大作になっています。
この「アトランティス人」、時空を操る能力をもっているらしく、そのおかげで第二部以降では時間的にも空間的にもさらにスケールが大きくなります。ネタバレになってしまうので、ここではどんな展開になるのかお知らせできないのが残念ですが、かなりの驚きが待っています。第二部の『疫病世界(仮題)』The Atlantis Plagueは7月に刊行予定です。ぜひお楽しみください。