お知らせ新★ハヤカワ・SF・シリーズ第3期スタート! 【第1弾】ジョン・スコルジー『ロックイン−統合捜査−』刊行 (2016/02/09)ロックイン−統合捜査− ジョン・スコルジー 内田昌之 訳 新★ハヤカワ・SF・シリーズ第3期、スタートです! 第1回配本は、ジョン・スコルジーの『ロックイン−統合捜査−』。スコルジーといえば、〈老人と宇宙〉シリーズで知られる人気作家。最近ではシリーズ以外の長篇『レッドスーツ』(新★ハヤカワ・SF・シリーズ既刊)で、ヒューゴー賞・ローカス賞をダブル受賞しています。日本でも、〈老人と宇宙〉シリーズ3作目の『最後の星戦』と『アンドロイドの夢の羊』で星雲賞を受賞しました。 このスコルジーの新刊『ロックイン−統合捜査−』は、「パンデミック」×「ロボット」×「殺人事件」もの。 意識があるのに体をまるで動かせなくなる「ロックイン」状態を引き起こすパンデミックが世界中に蔓延した近未来。「ヘイデン」と呼ばれる患者は、アメリカ国内だけで400万人以上にもなりました。しかしそれから20数年後の現在、ヘイデンたちは脳にニューラルネットワークを埋め込み、ロボティクス技術と専用オンライン空間の利用で通常の生活を送れるようになっています。 幼いころに疫病にかかったヘイデンのひとりシェインは、ロボット「スリープ」を操る新人FBI捜査官。配属の初日から、先輩捜査官とともに、ヘイデンがかかわる殺人事件の捜査にあたることになったのですが、どうも事件の状況が不可解です。そのうえ、その晩、やはりヘイデンが犯人と思われる爆破事件が起きて……。 近未来のパンデミック後の世界をリアルな想像力で描き出した痛快なSFサスペンスです。 〈老人と宇宙〉シリーズや『レッドスーツ』はそれぞれアメリカのケーブルテレビ局のSyFyとFXでドラマを企画中だと報じられています。本書『ロックイン─統合捜査─』も、レジェンダリーTV(『パシフィック・リム』や『GODZILLA ゴジラ』の製作会社レジェンダリー・ピクチャーズのテレビ部門)がドラマ化権を取得したとのこと。実際にドラマ化が実現するかは今後のお楽しみですが、どんなドラマになるのかを思い浮かべながら読むのもおもしろいですよね。 ちなみに、新★ハヤカワ・SF・シリーズ第3期には、グレッグ・イーガン(『クロックワーク・ロケット』の続篇)、ジーン・ウルフ、アダム・ロバーツの作品などを予定しています。4月刊は『紙の動物園』が大きな話題になったケン・リュウの初長篇The Grace of Kingsです。お楽しみに。 |